起業家と横断歩道

横断歩道、みんなで渡れば恐くない。

小さい頃から何度も耳にした言葉だ。集団心理をよく表してる。この名言ビートたけしが考えたという事を最近知った。ついでに、

最初はグー、ジャンケンぽん。

これは志村けんが考えたんだと。こんなにも自然に使われてるけど、初めはだれかが考えたんだ。それがお笑いの大御所だったりする。社会に浸透する何かを作り出すってかっこいい。

日本で一般的な生活をしてると、どうも一般的なレイルから外れるのが怖くなるようだ。高校卒業して大学に入って、大学卒業したら就職して、企業の中で上を目指す。こんな感じのレイル。これがいわゆるフツウで、フツウから外れないように頑張る。フツウの枠中で上を目指す。それが良いことなんだど思いこんでる。

そんな生き方をしてると、何かを作り出すなんてことはできない。創り出すって事がイメージできないから。あるものをちょっと良くするとか、誰かが創り出すのをサポートするとか。そういう脇役にしかなれない。

何かを創り出すって、自分のアイデアを形にしてそれを発信する事だ。それはとても勇気がいること。なぜなら発信しても受け入れられないとか、相手にされない、馬鹿にされるなんて事が当たり前に起きるから。それは自分を簡単に傷つけるから。

でもそれを乗り越えて、若しくは気にしないで自分を発信して受け入れられたらそれは何か新しいものを創造したって事で、それは社会に影響を与え、誰かに価値を与えることに繋がる。

その影響の波を創り出す事に生きていることの意味を見出だすのは容易だ。誰かの役に立っている、誰かを幸せにした、そんな事が実感できればそれは素晴らしい人生と言える。

赤信号でどうするか?

起業するという事は社会に対して自分の思う形でサービスを提供するという事だ。誰かが作った会社に勤めて誰かが決めたやり方で社会と関わるのとは異なったアプローチだ。その選択はフツウとは違う。

横断歩道で赤信号、でも車は来ていない。その時道を渡るか?起業家は渡るを選択し、サラリーマンは渡らないを選択する。自分で進む道と方法を判断するのか、誰かが決めたやり方に従うのか。どちらでも良いのは間違いない。リスクとリターンが異なるだけだ。

ハイリスクハイリターンか、ローリスクローリターンか。冒険か安定か。その違いだ。

優秀なサラリーマンは周りが見えて勉強もできる、人付き合いもできてバランスの良い優秀な人が多い。立派な事だ。なかなかなれるものではない。そういった人は会社で昇進し、安定しながらも財を成す。

起業家は優秀なサラリーマンとは異なる人種だ。会社で働いてたら評価されにくく、いわゆる使えないやつと言われるだろう。あまり先のことやリスクを重んじる事ができず、空気を読むのも決してうまくはない。そういうバランスの悪い人が起業家に多い。

起業家といってもピンキリなのは言うまでもない。事業を成功させて財を築く者もいれば、倒産する者もいる。当たり前だ。上手くいかない人の方が多いに決まってる。でも上手く事が進んだ時のリターンが大きいのだ。そして社会ではそういった成功者が起業家としてもてはやされるのだ。起業家の屍はゴロゴロ転がっている中で。

企業の雇われ幹部で偉そうにしてるのは滑稽

サラリーマンでも起業家でもどちらが優れているなんて決めることはできない。犬と猫はどっちがかわいいか、と同じ議論だ。葉は好みだろってこと。

しかし滑稽だなと思うのはサラリーマンで取締役になったとか、部長だとか、そういった枠の中の役割という理由だけで自分が偉いと思っている方々だ。いや、そう感じるのは自由だし、自分に自信を持つのはとても良い事。そこに異議はない。ただ、その理由だけで偉そうにしているのが滑稽なのだ。

管理職の彼らはどうやら管理職でない人達より優れていると思っているようだ。これは抽象化された偏見だから全員に当てはまる事はないのは当然だが。ただ大多数の管理職は自分は権限を持っていて偉いと勘違いしている。いや、それもまた良いか。

滑稽の対象はそれら管理職の者たちというより、もっと狭い範囲かもしれない。それは、雇われているが、経営を担当している者で、自分は経営者だと思っている者。いや、もっと狭く、雇われ経営者で、会社を切り盛りしているのは自分だと自負している者、が良い。

経営者を担当しているだけで、事業のゼロイチを経験していないのに、自分がゼロイチでやってきたと思っているのは滑稽なのだ。起業する者と雇われる者の間には大きな隔たりがある。資金の責任を負うかどうかだ。

オーナーである者は資金の責任を伴う。起業したてでは自己資金も出すだろうし、借入もある。損失が出れば自分の懐からお金を出すのだ。雇われは自分の資産が事業の良し悪しで減る事はないのだ。増える事はあっても。その覚悟と経験があるかないかは雲泥の差。全く異なる世界なのだ。

だから雇われの経営者で、起業した事がない者には、本当の経営は理解できない。あくまでもサラリーマンなのだ。その違いは知っておいて損はない。自分の視野を広めるためには。

 

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